婚礼の際に用いられたエナメル彩の硝子八角瓶。
双耳の花瓶に赤い花とハートの葉。見つめ合う番いの鳥。赤白青黄の明るく可愛い色使いで、祝福の心が見える愛らしい品です。
と、ここまで見ると当時の祝祭の光景を想い描きながら微笑ましく眺めていられるのですが、注目すべきは裏面です。
見つめ合っていた番いの鳥が こちらでは目を合わせていない。これは偶然の筆の揺れによるものではないだろう。雌は別の人(鳥)を想い、雄は後ろめたさから目を逸らす..ように見えてしまう。結婚生活は簡単ではないぞと 作り手が忠告(遊び)を忍ばせたのか..。もしくは友人たちの悪戯発注? どちらにしても要らぬお節介でしかないが。
幸せな二人に気づかれなかったことを祈りつつも、三世紀過ぎた日本の僕らなら これも愉しめるように思い 選んできました。現代のものではなく、遠い地の 永い年月を経たものだからこそ "ゆるせる" "愉しめる" ことも古物の醍醐味だと思っている。
size: W 6.6cm D 6.3cm H 13.5cm
Germany or .. 18c
____________
tametsusugametsu