十七世紀のステンドグラス。現在のように色ガラスを組み合わせたものではなく、加色してから焼き付けたものです。複数枚で描かれたものですが 出会えたのはこの一枚だけ。他は破損してしまったのか、バラバラに渡っているのか。しかし残ったこの一枚が、狙ったかのような見事な構図。
画面下半分は白いテーブルクロス。果物とワインが並び、判り難いですが三人の人物が描かれています。顔を覗かせているのは 中央に座る人物に仕える身の者か。隣に座るのではなく背後から身を屈ませ 主人の言葉を聞いているようにも見えます。
"最後の晩餐"のように長いテーブルに横並びに座り夕食を楽しむ人たちが描かれていたのではないかと推察していますが、意図せず切り取られた一枚に 完成された構図を見た気がしています。
size: W 16.6cm D 0.1cm H 17.2cm
Netherlands 17c
ヨーロッパの骨董屋を巡る時、ここは本当に地震がない(少ない)んだなと実感するようなディスプレイを目の当たりにします。不安定に積み上げられた木箱や段ボール。梁に薄いガラスボトルが並んでいたり。日本では有り得ない飾り方が、見ていてコワくもあるけれどなんだか格好良く映ります。この薄く繊細なガラス絵も、薄暗い廊下の 高い位置にある窓に簡単に立て掛けるように飾られており、脚立を借りて 恐る恐る手を伸ばし取りました。
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平置きしてしまうと折角のきれいな色が曇ってしまう(写真9)ので、光の通る飾り方がお勧めです。
※針金で自作したスタンドをおつけします。
tametsusugametsu